創業者が使える資金調達とは
これから創業する方の中には、いくつもの資金調達の方法があると期待されている方が少なからずいらっしゃいます。
たとえば、ファンドや少人数私募債、事業への出資などがその一例です。
これらは確かに5年以上前のまだ景気が良い時には使えた方法ですが、経済情勢が厳しい現在では、創業者の方がこれらを利用できる可能性はほぼないものと思ってよいと思います。
特にファンドについては、原則として返済義務がないため、この利用を希望する方が多いのですが、最近ではそもそも本体のファンド自体が極端に数を減らしており、また、存続しているものであっても青色吐息な状況であるため、積極的に募集を行っているところはあまり見当たりません。
そのため、創業者の方が事実上使える資金調達としては、以下の3つに限定されるということになります。
① 公的機関による融資
② 親兄弟などによる援助(贈与など)
③ 同じ事業をしたいという希望を持った人間との共同経営
とはいえ、②と③については誰でもが利用できるわけではなく、また、それぞれについての問題点もあります。
そのため、誰でもが使える手段としては、①の公的機関による融資のみということになります。
しかし、これとても誰でもが申し込めば融資が得られるということではありません。
希望額の融資を受けるためには、シッカリした事前の計画が必要となります。
現在では会社法の改正により、払込金保管証明の準備などの面倒な手続きなしに、資本金1円からでも会社を作ることができるようになりました。
そのため、設立時のコストだけを考えて過少な資本金だけで、後の融資のことを考えずに、とりあえず形ばかりの設立をしてしまうというケースが目立っています。
しかし、これが結果的に融資の成功を大きく妨げているということに気づいている人はそんなに多くありません。
それでは、なぜ、設立時から準備をしないと、十分な融資が受けられなくのでしょうか?
次回は、この点についてくわしく解説いたします。