株式併合とは
株式併合とは、複数の株式を合わせて、より少ない株式数にする事です。3株を1株に併合したり、5株を2株に併合したりする事です。株式併合は主に株式分割によって発行株式数が増えすぎた場合や、株価の低迷時に、株券発行費用や株主管理費用、配当に関する費用、郵送費用などのコストを抑えるために利用されてきました。
株式の併合により、発行済み株式総数は減少しますが、発行可能株式総数(発行枠)は変わりません。株式の併合によって1株に満たない端株となる株式が生じた時(3株を1株に併合した場合、5株所有している人は、1株と0,666株という単元未満株となります)は、会社はそれをまとめて競売したり、買い受けたりして、端株株主に交付する事になります。
手続きとしては、株式併合は、株主総会の特別決議で決定されます。これは、併合の割合によって、単元未満株となってしまい、議決権を失う株主もいるからです。そして株主総会で定められた併合の効力発生日の2週間前までに、株主等に通知又は公告しなければなりません。
そして株券を発行している会社の場合は、株券を回収する必要があるので、その場合には、株式併合の効力発生日の1ヶ月前までに公告し、かつ株主、登録株式質権者に各別に通知しなければいけません。会社法施行前の従前の商法では、併合に適する株式の数を記載した株券は会社に提出しなくてもいい場合がありましたが、会社法はそのような例外を認めていませんので、その場合、全ての株券は必ず会社に提出されなければなりません。実際の株式数と異なる数が記載された株券が流通することは会社にとって好ましくなく、上場企業は、振替制度を利用するので、現実に株券を発行する会社は小規模なものが多く、株券の提供を強制しても会社や株主に対しては大きな負担にならないと考えられたからです。
また併合の効力が生じる日は、従前の商法では、株券発行会社については、株券提供公告期間満了の時と定められていましたが、会社法では、株券を発行しているか否かに関わらず、株主総会の決議によって会社が定めた日に株式併合の効力が生じるとされました。