株式譲渡制限会社とは


株式譲渡制限会社

【ご注意】「ひとりでできるもん」では、株式譲渡制限会社のみ設立できます。

株式譲渡制限会社とは、すべての株式の譲渡を制限している株式会社のことで、新会社法では、有限会社の制度の廃止により、株式譲渡制限会社であるかどうかが制度設計の新たな基準となってます。

これまで、有限責任タイプの会社は、公開・大企業を想定した厳格な規制の株式会社と、非公開・中小企業を想定した簡易な規制の有限会社の2つがありましたが、近年、会社類型の選択が硬直化しており、規制が形骸化しているため、新会社法では、このような状況を踏まえて、有限会社制度を廃止して株式会社制度に一本化するとともに「株式譲渡制限会社」には、株式会社でありながら、有限会社に準じた簡易な規制を選択することを容認しています。

有限会社制度の廃止

有限会社は、非公開・中小企業を想定し、同じ有限責任タイプの株式会社に比べて簡易な規制を選択することができました。前述した機関設計における規制の差の他にも、咲いて資本金が300万円でよい(株式会社は1000万円)、決算公告を行わなくてよい(株式会社は決算公告を行わなければならない)などの違いがありました。

しかし、実際には、有限会社は株式会社に比べて信用直が劣るという認識から、小規模の企業であっても株式会社の形態を選択するという事態が生じ、実態として有限会社と差がない株式会社が増加していました。

このような状況を踏まえ、新会社法では、有限会社制度を廃止して株式会社制度に一本化しました。さらに、株式譲渡制限会社においては、株式会社でありながら現行の有限会社に準じた簡易な規制を選択することができます。

株式譲渡制限会社の定義

株式譲渡制限会社とは、すべての株式の譲渡について、会社の承認を必要とする旨の定めを定款に置いている株式会社のことになります。

<定款の記載例>
(株式の譲渡制限)
第○条 当会社の発行する株式を譲渡により取得するには、株主総会の承認を受けなけれ
   ばならない。

(株式の譲渡制限)
第○条 当会社の発行する株式を譲渡により取得するには、代表取締役の承認を受けなけ
   ればならない。

(株式の譲渡制限)
第○条 当会社の発行する株式を譲渡により取得するには、取締役全員の承認を受けなけ
   ればならない。
 2 前項の承認は、取締役全員の同意をもってすることを要する。

(株式の譲渡制限)
第○条 当会社の発行する株式を譲渡により取得するには、取締役会の承認を受けなけれ
   ばならない。

すべての株式の譲渡制限とは
「すべての株式」の譲渡制限をしている株式会社で、種類株式を用いて一部の株式のみ譲渡制限をしている場合は、株式譲渡制限会社に該当しません。

会社の承認とは
原則として取締役会における承認をさしますが、定款で別段の定めを置くことも可能です。また、取締役会を設置しないことも可能なので、その場合の承認期間は原則として株主総会となります。

株式の譲渡制限の定めを定款に置くためには、株主総会の特殊決議(議決権を有する株主の過半数、かつ当該株主の議決権の3分の2以上の賛成)が必要となります。