取締役会を設置しない会社の株主総会
取締役会を設置しない会社では、株主総会の決議事項の範囲が広くなり、さらに招集手続きが簡単になりました。
新会社法以前は、株式会社には取締役会を必ず設置しなければならず、株主総会の権限は制限され、株主総会の招集手続きも厳格でめんどくさいなものとなっていました。
新会社法では、取締役会を設置しない会社については、株主総会の決議事項の範囲が拡大され、運営についても簡単になり中小企業の運営が楽になりました。
株主総会の権限の拡大・招集手続きの簡素化
株式譲渡制限会社では、取締役会を設置しない機関設計も可能で、取締役会を設置しない株式会社では、これまでの取締役会で決定していた事項を、株主総会で決議することが可能です。
<定款の記載例>
(招集及び招集権者)
第○条 当会社の定時株主総会は、毎事業年度末日の翌日から3か月以内に招集し、臨
時株主総会は、必要に応じて招集する。
2 株主総会は、法令に別段の定めがある場合を除き、社長が招集する。社長に事
故若しくは支障があるときは、あらかじめ定めた順序により他の取締役がこれを
招集する。
3 株主総会を招集するには、会日より3日前までに、書面投票又は電子投票を認
める場合は2週間前までに議決権を行使することができる各株主に対して招集通
知を発するものとする。ただし、議決権を行使することができるすべての株主の
同意があるときは、書面投票又は電子投票を認める場合を除き、招集手続きを経
ずに株主総会を開催することができる。
4 前項の招集通知は、書面投票又は電子投票を認める場合を除き、書面でするこ
とを要しない。
取締役会なし | 取締役会あり | |
株主総会の決議事項 | 株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項 | 法律に規定する事項および定款で定めた事項 |
招集通知 | 1週間前(定款でさらに短縮可能)までに発出 | 2週間前までに発出 (株主譲渡制限会社においては1週間前) |
口頭でも可能 | 書面または電磁的方法による通知 | |
会議の目的事項の記載・記録が不要 | 会議の目的事項の記載・記録が必要 |
※取締役会を設置していない株式会社では、株主総会の運営がしやすくなりました。