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合同会社・株式会社の複数代表について

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最近多くなったのが、「複数代表制」です。特に合同会社でよく採用される形態です。
「金銭的会社」と言われる株式会社、一方では「人的会社」と言われる合同会社、
「人」をめぐる機関設計は変わってくるのは当然かも知れません。
 
株式会社は、発起人=(出資者・株主)と経営する側つまり取締役などが別々に機能し、兼任という場合もありますが、基本的には出資と経営は別であるという前提です。そのため、株主総会と取締役会などの設置があります。
一方、合同会社の場合、出資者は全員社員(従業員ではない)となり、その中から業務執行社員(取締役のような立場)と代表社員(代表取締役のような立場)になる者を決めることとなってます。
 
また、株式会社は株主の出資金の額によって、株主総会での議決権を多く持てますが、合同会社は原則社員ひとり1票なので、極端な話ですが、10万円を出資した社員と100万円を出資した社員の議決件は同等となります。

 

以上のような理由から、複数代表制を選ばれる合同会社が多いのではないかと思われます。
では複数代表のメリット・デメリットはどんな事があるのでしょうか?
【メリット】
○出資比率に議決権が伴わないので、複数代表にすることによりそれぞれの代表が平等な立場となり得る。
○会社の業務(事業の目的)の区分により代表を振り分け、意思決定をしやすくする。
○どちらかが海外在住の場合などは、もうひとりの代表者が日本において契約・調印などができる。

【デメリット】
○社員と代表者の人数が同じ会社で、各々の意見が割れた場合は決議に時間がかかる。または決まらない場合がある。
○それぞれが会社の代表を名乗ることにより混乱を招く恐れがある。
○それぞれが代表印を届け出ている際は、契約・調印に関して注意しなくてはならない。

以上のように「複数代表制」はかなり複雑な点もありますので、お互いのノウハウの持ちよりで作った合同会社などの場合は、「どっちがエライ」というようなことが決めづらいということで複数代表制を選択しがちですが、のちのち問題となるということも頭に入れておいて下さい。

日時:2010年11月01日 11:57