会社設立後に定款の提出を求められる事があります
会社設立の際には、新しく設立する会社の商号や発起人や取締役が誰か?など、絶対的記載事項やその他登記事項を決めたりし、その時はとても大変な作業であったと思います。
しかし、無事登記が完了すると、「定款」の内容を見たりすることは、めったにないことです。いざ、設立が済むと、「登記簿謄本」があるので「定款」はあまり用がない!と思われがちです。
そのような現状ですから、「定款なんてどこにしまったんだろう?」などといった経営者もたくさんいらっしゃるようです。
しかし、会社経営の中で、定款の写しなどの提出を求められるケースは多々あります。
登記簿謄本というものがあるのに、何故?とお思いになるかもしれませんが、登記簿謄本に記載されていない重要事項が定款にはたくさん記載されておりますので、例えば
■税務署や県税事務所や各役場などへの開設届けを提出する際
■金融機関の融資の申し込み
■取引先と重要な取引をする際
■許認可事業の申請の際(登記簿謄本のみの提出の場合と定款の写しの提出の場合のあり)
■税務所の調査や問合わせがあった場合
などなど、企業や会社の信用性が重要視される昨今、定款の役割は一昔前より大きくなってきていると言えます。
そういった場合、登記簿謄本の記載と定款の内容が一致していなかったり、また、会社案内などに表されている各種役員の氏名が一致していなかったりしていた場合は著しく信用を落とすことでしょう。
登記事項に変更がある場合は、「変更登記」をするのですが、変更したら速やかに定款も変更しておかなければなりません。
もともとある定款(設立時に作成した定款は原始定款と呼ばれますが)に定款の変更を誰が決めるか?は必ず記載してあるわけですから、それに従い「取締役会議事録」や「株主総会議事録」や「代表社員の決定書」などといっしょに新たな定款を作成し保管しておくのが、望ましいです。
原始定款を紛失した、場合は認証を受けた公証役場で再交付するか、公証役場や認証番号も忘れたという場合は、登記簿謄本の現在事項を基に新たに定款を作成しなければなりません。
上記以外にも会社法の改正などに伴い、大企業や大会社は定款を適宜変更していますので中小企業であっても、その会社の成長に合わせ、定款を見直すといった姿勢は大切なことだと思います。
変更登記はもちろんのこと、定款の作成などもご相談にのりますので、よろしくお願いいたします。