資本金がカギとなる経営(準備金2)
現在の経済状況では今後の先行きが見えないため、設備投資なども現段階で控えるという考えの会社も多いのではないでしょうか?
景気の良い時期には、設備投資といえば銀行等からの借入で賄うといった考えが浮かびますが、今の時期は会社設立したばかりの新しい会社ならなおさら、金融機関の融資も思うようにはいかないかもしれません。
そんな時の為に株式会社にとって準備金はぜひとも必要です。
準備金には資本準備金と利益準備金がありますが、この場合は利益準備金のことです。
資本準備金は資本の中から生じた準備金であり、一方利益準備金は利益の中から生じた準備金のことであります。これは、企業の利益(税引前当期利益)から税金、配当金、役員報酬などを差し引いた部分をあてる「利益準備金」のことですが、「任意積立金」などの剰余金も会社にとっては必要と思われます。
これは当期の未処理利益を配当金に充てるか?翌期に繰り越すか?任意積立金にするか?
という判断のもとに株主総会、取締役会にて決定します。
あまりにも資本金を大きく上回るような準備金は問題がありますが、将来を見据えて設備投資などへの目標をもった任意積立の場合は小規模会社にとってとても有益ではないかと思います。
平成14年度の商法改正によって法定準備金が、資本の4分の1を超えるときは、株主総会の決議により、法定準備金は剰余金にすることができるようになりました。つまり、資本準備金は資本剰余金に、利益準備金は利益剰余金にすることができるようになったので、剰余金になることで、株式会社は、これを自由に使えるようになりました。
ということは、見込める利益と資本金の額は非常に密接な関係にあるわけです。従って、会社設立時には、株主が出資をした総額が資本金となりますが、会社が続く限り資本金の額は会社の資産として税務上の少なからず影響があります。それと同時に株主との関係もずっとつづくものですので、やはり長期的なビジョンで資本金を決定なさるのが大切です。