会社設立の書類作成と電子定款、現物出資対応


取締役の責任は(2)・・・過失責任となる行為は?

取締役は会社において業務執行を行うヒトですから、一般の社員に比べ会社に対して、第三者に対しても負うべき責任は重大であるということは昨日お伝えしたとおりです。
本日はどんなことが過失責任となるのか?具体的に見てみましょう。person_0125.gif


1)違法配当
分配可能額を超えて余剰金の配当を行うようなこと。
例えば、粉飾決済をして株主に表面上配当をし、金融機関や債権者などに見せかけの黒字を見せるようなことです。

2)利益供与
株主の権利行使に関して、株主に対して金銭その他の財産を供与するようなこと。
よくあるパターンでは株主総会を形骸化(形だけに)するために、総会屋に利益を供与するということが今もって行われているようです。

3)利益相反取引
取締役と会社の利益が相反するような行為を行うこと。
これは、取締役が個人の利の為に会社の利益を損なうような取引をすることです。たくさんの例があるかと思いますが、通常の取引でも請求額をまけたり、取引条件を甘くするなど、知らず知らずに自社よりも取引相手の利益を重んじてしまうような事は多々あります。
充分注意が必要です。

4)法令・定款違反
特に定款は会社法を遵守した上で定めた会社の法律ともいえるほど、重要なものです。
取締役は定款を充分理解し業務執行をしなくてはなりません。

1)~3)は新会社法では原則過失責任となり、無過失(不注意ミスがない)の場合は責任を負わなくなりましたが、このようなことが起こってはいけないのはもちろんのことです。
また、以上のことは大企業などにおいても頻繁に起こることのようですし、大きな事件に発展すれば逮捕者もでるような事柄です。
ぜひとも、会社のコンプライアンスをしっかりと持ち、健全な経営のためにも取締役はしっかり選任したいものです。

 
日時:2008年07月24日 17:58