500万円以下の現物出資のメリット---第3回---
本日は、現物出資のメリットについてお伝えいたします。
会社設立の際、資本金の現金が不足しているときでも、現物出資をすることで資本金を大きくすることが出来る、これが最大のメリットであることは言うまでもありません。
現在は会社法が施行され、最低資本金制度が廃止されました。要するに資本金1円でも会社が設立できるようになったので、現物出資の必要性がないのではないか?と考える方もいるようですが、会社設立後の取引の際に少しでも資本金を大きくして信用を得たいと考える方は多いようです。その上、実は現物出資は会社設立後に会計上のメリットがあるのでその辺りを詳しくご説明いたします。
現物出資したものは、有形・無形を問わず、設立した会社の資産となりますが、会社設立当初から在庫・不動産・車・パソコンなどがある場合、会社設立後にそれらを使用して事業を行うのであれば、それらの現物財産を現物出資とするのは大変有効かと思います。
それは、現物出資した現物が会社の会計上「費用」として認められるからです。
現物出資したものが必ずしも費用となるとは限りませんが、事業に関連していれば費用として認められることでしょう。
費用として認められた現物出資はその物の種類・性質にもよりますが、固定資産として減価償却できます。これは、事業に使用するものの原価を(身近な例でいうと、車・パソコン・機械・什器などですが)をその耐用年数で割った金額が経費として認められるということです。現物出資の場合は出資金の額が原価となります。
耐用年数内であれば毎年費用として計上することが出来るのです。
この減価償却費は人件費や材料費などと同様にその事業の売上高から控除されるので、事業で使う見込みのある現物出資は非常にメリットがあるといえます。
ただし、減価償却することを前提として現物出資するのであれば「耐用年数の残っているもの」をあてなくては、費用として認められませんのでご注意ください。