500万円以下の現物出資のデメリット---第2回---
第2回では現物出資のデメリット(面倒な部分)についてお伝えしたいと思います。
第1回では<500万円以下の現物出資>の詳細と便利さをご紹介しましたが、だからといってあまり考えずに現物出資をするのも考えものです。
会社設立登記申請の際は手軽に行える500万円以下の現物出資ですが、会社設立後にしなくてはならない手続きがありますのでご参考にして下さい 。
<株式会社設立後の手続きが必要となる現物出資>
現物出資をするということは、個人(発起人)の財産が法人の財産に移転するということなのでその財産によっては所有権移転の手続きが必要となります。
*法人の財産を現物出資することも会社法上可能ですが、「会社設立ひとでき」では個 人からの現物出資のみのシステムしかご利用になれません。
どのような現物出資が所有権移転の対象になるかというと不動産(土地・建物)や動産では車などがそれに当てはまります。
土地・建物は所有権移転登記・自動車は名義変更手続きが必要となります。
これらの手続きは、新会社設立登記後に行うのもですが、それぞれ専門的な知識がないと手続きが出来ないので専門家に頼むお金と時間がかかります。
<税金がかかる現物出資>
不動産
所有権移転登記をすることになるのでその際、登録免許税がかかります。
不動産を取得した会社(法人)側には不動産取得税や固定資産税が後に課税されることになります。
自動車
自動車税や自動車取得税が会社(法人)にかかってきます。自動車税に関しては都道府県民税、毎年4月1日現在で自動車の所有者に対してかかる、自動車の種類・用途・排気量などの区分により年税額が決定されます。
また、現物出資を行った個人(株主)に対しては譲渡所得税がかかる場合があります。
対象となる資産としては、土地、建物、機械器具、ゴルフ会員権、特許権、著作権、特定の有価証券などがあります。
譲渡所得とは、資産の譲渡による所得をいいますので会社(法人)に対する現物出資も、その対価として株式(持分)を取得するわけですから、通常の売買と同様に譲渡所得にあたることになります。
<実際問題として>
500万円以下の現物出資は会社設立登記申請のときには所有権の移転の確認書類の提出がないので、
会社設立後、名義変更をしない場合でも帳簿にのせていれば所有権の移転があったものとみなされるようです。
いずれにしても、会社設立前後には会計士や税務署に相談し、より具体的なアドバイスをしてもらうことをお勧めいたします。あくまでも名義変更することが原則となります。